最近の政治に思うこと

 国際舞台で消費税10%引き上げを、野田首相は宣言してきた。国内での根回しは済んでいるのか、というより国民に納得させているのか。国として不要な出費を抑えるだけ抑えたうえでのことなら納得もしようが、仕分けも中途半端なまま、国会議員定数の削減もない。国民は、不況で給料は下がり、就職難は極まって、大学新卒者ですら就職先がない現状である。子どもを産めといっても、産み育てる経済的な環境がまずは整っていないのだ。震災以降、つくづく政治の無策を感じるが続く。

 以下は、共同通信の最近の世論調査の結果から2つ(数字は%、カッコ内は前回10月1、2両日調査)。

問1 あなたは野田内閣を支持しますか、支持しませんか。支持する 47・1(54・6) 支持しない 34・3(27・8) 分からない・無回答 18.6(17.6)

問4 あなたは、どの政党を支持しますか。 民主党 25・1(27・1) 自民党 20・5(23・2) 公明党  3・3(4・0) 共産党  2・3(3・2) 社民党  0・9(0・9) みんなの党  6・8(5・7) 国民新党  0・4 (0・4) たちあがれ日本  0・4(0・2) 新党日本 ―(0・1) 新党改革  0・1(0・2) 支持政党なし  38・4(33・8) 分からない・無回答 1・8(1・2)

 内閣支持率が落ちたのは当然として、政党支持率は、民主党が上がり、自民党は逆に落ちているのである! これは自民党の情けなさを象徴するとともに、国民の政党離れを如実に示している数値である。二大政党制といいながら、併せても4割強しかなく、支持政党なしの4割弱と大差がない。考えることは2つ。

 一つは、小選挙区制は変えなければならないということである。これは、もともと英米に見倣って(見倣うべき理由も根拠も何もなかったのだが、裁判員制その他、そういうことは多い。)二大政党制をということで導入された。51%の得票数で100%を取ることができるから、死に票も多い。もともと小党は得票できないシステムだから、その救済として比例制度併用としたのである。小選挙区では、党を代表して1人の候補者しか出ないから、新たな人材は決して出られない。完全に現職有利、また後継にはその子どもなど縁故者ばかりが出る要因ともなって、その結果、かくも人材不足の現状が産み出されているのである。

 他の一つは、有為な人材が出ず首相が1年毎に代わるようなお粗末な事態に、国民はもうすっかり失望しているということである。世界恐慌が起きそうな世の中、閉そく感が漂い、既成の政党に倦んだ人たちは、何かをばさっと決めてくれる独裁者を望む素地が出来上がっている。ヒトラーが出てきたら一発だとよく思う。橋下的手法は許されないと思っているが、ここにきてにわかのバッシング。大阪の人たちはかえって橋下に入れるのではないか、そんな気がする。

 TPP参加で政界はまっ二つ。もっときっちり説明をしてほしいと思っているが、ともあれアメリカの言うがままはどうか勘弁してほしい。

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