原監督騒動に思うこと

 いろいろな事件や事故が連日のように起こって、だんだんこちらも麻痺してくる感じだが、中で原監督のスキャンダルは衝撃的である。松田聖子がイケメン歯科医を略奪婚しても、さもありなんだが、原監督は球界の若大将、クリーンなイメージが売りで来た。ところが、現実は違ったのである。この件では多くががっかりし、巨人離れはもちろん野球離れが進むであろう。

 がっかりしたのは、不倫をしていたということでは、もちろんない。ちゃんと相手を選び、綺麗に別れてさえいれば何の問題もないことだ(少なくとも文句を言うのは奥さんだけ、世間がとやかく言うことではない)。ところが、原さんは相手を納得させて別れるということはしていなかったらしい。そして件の女性が当時日記を書いていたことをネタに、18年後に恐喝をされた。そして、言われるがままに1億円を支払った。まずこれが大問題である。

 恐喝(犯罪)の被害に遭った場合、市民は警察に届けを出し、捜査に協力をしなければならない。でなければ犯人は味を占め、次にまた不法なことに手を染めてしまうからだ。実際その後も恐喝され,その時には球団に告げたという。相手が暴力団関係者であるとは知らなかったとして、報道した週刊誌を名誉棄損で訴えると言うが、1億円を払ったことが虚偽であればともかく、真実であれば名誉棄損にはなりえない。1億円という巨額の要求額自体、暴力団関係者であるとしか考えられず、それすら分からなかったというのは恥の上塗りであろう。もっとも一般庶民には手の届かない高額が彼らには大した額でなかったことも分かるのだけれど。

 恥の上塗りで、原さんは、6年後の暴露となった今回の報道を清武さんの仕業だと名指しで公けにした。ナベツネの意向を受けたのだろうが,その根拠は何なのか。明確な根拠なしでは、それこそ名誉棄損が成立するだろう。清武の乱以降、さらなる泥仕合に積極的に加担して、巨人はもちろん、球界全体の名誉はどうなるのだろう。どんな業界でもそうだが,自分たちがコップの中の嵐を演じていることが分からないのは滑稽だし,怖いことである。

 真のスポーツマンはスポーツ馬鹿であってはいけない。本当に、残念だ。人の真価は、まさに事が起こって後の対応で知れる。逆に言うと、何も起こらなければ、誰もが良いイメージを持っていた。人というのは分からないものである。最近私自身,長年知る人の真実を事が起こって初めて知って,落胆することが重なっている。 

 

 

 

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