司法修習30周年会合に出席──司法制度改革にも思うこと

 8日は仙台・秋保温泉で,司法修習35期の30周年全体会があった。司法修習生は各期,卒業5年毎の節目で全体会を開催する倣いである。5年前は名古屋,10年前(国会議員の時)は京都で開催され,いずれも参加してきた(その以前については,なぜだかあまり記憶がない)。

 私たち35期は昭和55年の司法試験合格組である。486人合格,うち48人が女性で,史上最多とニュースになった。司法修習期間は2年。最初4か月と最後4か月が東京の研修所で全体で学び,途中期間は各地に散って実務研修(裁判所,検察庁,弁護士事務所で学ぶ)に就いた。全体研修は10クラスに分かれ,それぞれに裁判官教官・弁護士教官各2名(刑事と民事),検事教官の計5名の実務教官が就いていた。計50名。弁護士教官についてはこの間弁護士業務を完全に休むわけにはいかないはずだが,裁判官・検事は司法研修所教官である任期3年間は司法修習生の育成に専従していた。考えてみれば国は法曹養成にずいぶんとお金をかけてくれていたものである。

 今や司法修習生の数は4倍の2000人。教官は75名のクラスを2つ持っているという。司法修習期間も1年に短縮されたため,全体での研修期間も短くなっている。結果として,教官が個々の修習生の名前を覚えられないのは当然ながら,修習生もまた教官の名前を覚えていないというショッキングな事態になっているらしい。我々の頃はクラスの密度が濃く,仲間内は当然として教官らとも喧々諤々の討論をし,教官宅の家庭訪問までさせて頂いたりして,いわば全人格的な交流をすることができ,それが我々のたしかな血肉となっているのだが,今やそんな状況は物理的にも望めないことになる。

 全国から集まったのは170人(すでに物故者22人)。加えて,当時の教官も20人強集まって下さった。2時間の全体会の後それぞれのクラス単位に分かれて懇親するのであるが,みな当時に返って,互いの思い出を語り合いながら,遅くまで歓談した。ちなみに5年前は200人集まったそうだ。5年後の会合はどこになるのか,でも元気でいる限り参加するであろう。2000人規模での同期会はどうなるのだろうという話にもなった。人数が多すぎて物理的に難しいし,懐かしさもその分疎遠となる。そんなことにも思いを馳せられる。我々はつくづく,いい時代に学べたものである。

 その1週前(9月1日)は大阪で,中学学年会に参加してきた。神戸大学付属明石中学校(中学自体は残念ながら,もう存在しない)。こちらは全体で3クラス140人が4年毎に集まっている(幹事さん,御苦労さま)。うち30人が参加。数人の物故者もいれば,不明者も10人いる。参加できることは元気な証拠,そしてまた順調な人生を送っている証拠でもある。これからどんどん同窓会が増えていくであろう。人生のある時期を共に過ごしたということは,御縁の賜である。人生は人との出会いであり,御縁を大事にしてこその人生であると改めて思わされる。 

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