それぞれの春

  今月から帝京大学(八王子)に毎火曜日、通うようになりました。

  2次限刑法(経済学部3年対象)、3次限刑事訴訟法(法学部2年対象)、そして4次限刑法総論(法学部1年対象・必修)。各1時間半なので、一日がかりです。
  通勤時間は片道1時間半、とても疲れるだろうと思っていたのですが、心地よい疲労でした。私語が多くて大変だよと言われていましたが、少なくとも前方の席に座っている学生は静かに聞いていました。とても熱心。終わったあと質問にもたくさん来てくれて、可愛いですね。私の子どものような年齢。のびやかに育っていってほしい。そのためにできるだけの手助けをしたいものです。
 振り返って、昨年の今頃、事務所探しを始めたのでした。東京で最初から独立なんて無理とよく言われましたが、思い切って始めて本当によかった。どうせいずれは独立するのですから、思い切りが肝心です。最初は苦労を覚悟していたのですが、周りの方々に助けていただいて、それほどでもありませんでした。8ヶ月、経過。まだまだですが、マイペースで。なにしろ現役人生はあと20年はあります。最も気をつけるべきが健康であるのはいうまでもありません。

 とくに印象に残る仕事を、2つ。
  1つは、最初の頃受けた、知人の法律相談です。
  多額の損害賠償をふっかけられて困り果て、相談した弁護士から数百万円は必要(交渉次第ではもっと)と言われ、私方に来ました。結果は、書面を一つ書いて相手方に送って、終わり。人助けをして喜んでもらえ、なんとやり甲斐のある仕事かとつくづく思ったのでした。

 もう1つは、最近やった刑事事件です。
  警察・検察庁に何度か足を運び、起訴直後の保釈が取れたのです! 実務の慣行として第1回公判期日で被告人が罪を認めるまではなかなか許可されないし、まして事案は法定刑が「短期1年以上」と、裁量保釈しか許されない事案だっただけにひとしお嬉しかった。
  その折り、担当の若い女性裁判官に「先生ご自身が身柄引き受けされるのですから」と言ってもらえたことも嬉しかった。弁護士資格の重み。改めて身が引き締まる思いでした。

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