すごいなあ。ローザンヌ国際バレエコンクールで,日本人が優勝,2位,そして6位を占めた。15?18歳の若きダンサーの登竜門である。2年前には菅井円加さんが優勝,彼女自身の体の中から音楽が紡ぎ出されてくるような舞踊は圧巻であった。このコンクールで優勝した熊川哲也,吉田都のその後の活躍は誰もが知っている。
西洋音楽が日本に入ってきたのはもちろん明治以降でしかなく,伝統や文化という意味で日本は西洋にずいぶん遅れを取っている。しかしクラシックの分野では(ことにバイオリンを筆頭に)日本人は輝かしい受賞歴かつ活躍を誇るようになって,久しい。フィギュアスケートもかつてはロシアなどの北欧勢が上位を占めていたが,いつのまにか日本の選手層が厚くなり,国内予選を勝ち抜くほうが難しいと言われるまでになった。ソチ五輪ではフィギュアスケートの羽生,村上,そしてジャンプの高梨など10代の活躍が大いに期待され,開幕が待ち遠しい。
学問の世界に目を転ずれば,小保方晴子さんという研究者がSTAP細胞とやらを発見し,山中教授らがすでに発見したiPS細胞と相まって再生医療分野を席巻していく勢いだ。まだ30歳,将来が大いに期待される。私の趣味の大相撲の世界でも遠藤という,学生横綱出身力士23歳が初場所を大いに盛り上げ,若い女性の相撲ファンも急に増えてきた。ここはモンゴル国技館かと揶揄される大相撲の世界で,日本人力士がこれから大いに活躍し,優勝もし,順調に番付を上がっていくことは大変喜ばしいことである。
真剣に生きていた彼らは純粋で,その目がきらきらと輝いている。自分の好きなことを見つけ,たゆまぬ努力を重ねてきたことが報いられた,選ばれた人たち。その背後には報いられていない人も大勢いると思うが,それぞれの努力,生きてきた証は決して無駄になることはないだろう。若い力の登場は,停滞気味のこの社会を,国を盛り上げてくれる。ありがたいことだし,素晴らしいことだなとつくづく思う。