トランプ政権はいつまでもつのか

今朝出勤をしたら、先週とは違い、いつもの満員電車だった。休みが終わった…。すでに8月下旬だし、何となく空気も秋めいている。東京は今月1日から毎日連続の雨がついに21日だ(8月の最長記録は22日だそうだ)。

お盆休みでいつもは見ないワイドショーを見ていたら、不倫報道が多い。某女性参院議員の場合は公人なので問題になるのは分かるが、しかし芸能人の場合は私人であり、状況はまるで違うのではないか。糾弾をするとしたらそれはその配偶者であって、何の関係もない世間ではない。謝罪をするとしたらそれはお互いの配偶者へであって、世間に対してではもちろんない。世間が一体どんな被害を被ったというのだろう。もちろんゼロである。それなのにあえて騒ぐことで、その配偶者や子供や周囲の人たちまで傷つけているのだが、結局は視聴率さえ稼げればよいのだろう。本当に下らないことである。

関心を持って見ているのは、相も変わらずトランプの言動だ。1月の就任以来、この人のおかげで、遠い日本の我々もエネルギーや時間の多くを取られている感がある。わずか半年足らずで、政権中枢の多くの人が次々と辞めていく異常事態。ついに「影の大統領」と言われたバロン氏までもが辞任した。彼はトランプ政権誕生に大いに功績のあった人物で、アメリカファースト主義もイスラム締め出しの大統領令もバロン主導と言われていた。バリバリの白人至上主義者であり、社会的に疎外されている白人貧困労働者をトランプの味方につけることに成功した。南部諸州の選挙制度を共和党に有利になるよう変えたとの話も聞く。なにせ、そうした選挙制度の間隙を縫って、クリントンに300万票負けていた大統領選で、奇跡的に勝利しえたのである。

南北戦争の南軍指導者リー将軍の銅像撤去を巡って、南部バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者と反対派が衝突して、反対派女性が1人死亡したのが8月12日。トランプが声明で「様々な立場の人」を非難するとはしたが、白人至上主義者の名指しは避けたことに非難が殺到、14日には改めて声明で、「KKK、ネオナチ、白人至上主義者や憎悪団体」と非難したが、翌15日には「双方に非がある。間違いない」との再コメントして、一段と大きな非難を浴びることとなった。自らの支持層を意識してのことであるのは明らかだが、人種差別はアメリカの最大タブーである。選挙期間中、メキシコ人はレイプ犯だと放言したし、就任後はイスラムを排除する大統領令を発令したし(裁判所で無効とされた)、彼自身は折り紙つきの白人至上主義者であるが、内心の信条はともあれ、大統領という立場に立った以上は、アメリカを一つにまとめていくために、人種差別に対してはことさらに鋭敏であり、差別に対してはとことん戦う姿勢を示さなければならないのである。それが出来ないことに、大統領として最低限の資質さえ欠如していることが見て取れよう。

彼はリーダーではなく、ボスなのだ、という論調があった。リーダーがそれぞれの意見の相違をうまくまとめあげていくものなのに対し、ボスは「へい、ボス」と無条件に従う者だけを重用し、そうでないものは首を切るだけだという。そういえば、日本にもかつてそういう女性政治家がいた。人は3種だけ、「家族、部下、敵」と公言していた。トランプも信用するのは家族だけ。今更言っても仕方ないが、公人の適性をそもそも欠くトランプを大統領にしたのが間違いだった。収まらないデモを見ていると、トランプのせいで今後アメリカの分断が収まるどころかますます進んでいくのだろうと思う。支持率低下を止めるために、北朝鮮相手に戦争を始めようとしたら、どうか側近で止めてほしい!!

トランプはダメ、早く副大統領のペンスに替わってほしいといったことをよく聞くようになった。ただ大統領職は強く、そう簡単に辞めさせられるものではない。現在モラー特別捜査官が鋭意捜査中の、いわゆるロシアンゲートで、トランプ自身が関わったとされる事実でも明らかにならない限り、議会は弾劾に踏み切らないだろう。トランプの所属する共和党議員にしてもいくら内心では不満たらたらだとしても、トランプがこけたら自らの選挙もかなり危なくなるとあっては、なかなか動けないのではないか。あとはトランプ自身が職を投げ出すようなことになるのかどうか。

フランスのマクロン大統領の支持率が就任わずか3か月で30%台に落ち込んだ。グローバル企業で優秀な成果を出した彼が、各種規制はないかできるだけ緩くあるべきだと考えているのはよく分かる。国の競争力を上げるためには法で過剰に守られた労働者の保護を少なくすべきだが、労働法改正は、労働組合の強い抗議に遭ってほとんど進まない(オランド政権でも頓挫した)。各種予算を削減するのにも抵抗が強いうえ、彼は過日、はるかに年輩の軍トップにも「私がボスだ。コメント不要」と言い切り辞任させてしまうなど、傲慢な態度にも批判が広がっているのだという。ひとりメルケル首相は堅実で、4選も堅そうだが、ここにもロシアが介入してかく乱を狙っているとの情報がある。ワールドニュースから目が離せない。

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