昨日、武道館での大学入学式に参列してきた。3ヶ月近く大学はお休みで、その分楽をしてきたが、来週からまた毎週の大学出講が始まる。考えてみたら今週は、一年中で一番楽な週かもしれない。裁判所は人事異動で期日が入らず、裁判も調停もないからだ。それも明日で終わり、来週からは裁判所も大学も元通りである。
式後武道館から大学同僚たちをお連れして、千鳥ヶ淵沿いに事務所に戻った。残念ながらほとんどもう葉桜だ。私自身はその前、何かのついでに上野や六本木界隈で花見を楽しんだからよいのだが、新入生と親たちには気の毒である。明夜は毎年この時期恒例の屋形船(隅田川下り)。花はもう駄目だが、花より団子。1年ぶりで会う人も多いので、楽しみだ。会えるのはお互いに元気だということである。
一昨日は事務所を出た後まっすぐ帰宅せず、九段下、神保町までぶらぶら歩いた後、JRお茶の水駅から帰宅した(歩くと、これらの街が互いに近接していることがよく分かる。同じ千代田区なのである)。職場と住居が近く、都心に出るのに便利なのは贅沢なことである。歩くのは好きだし、中でも街歩きは昔から趣味といってもいいほどだ。きっとこの店は美味しい!と閃くと、店名を覚えておいて、あと食べログで確かめる(便利な時代である!)。私の直感は嬉しいことにたいてい当たり、ほぼ3.5点を超える。中で今度是非行ってみようと思う店は携帯に登録。行ってみて良かったら残し、駄目だったら削除する。情報源は直接ネットからの場合もあり、そうして出来上がった私の飲食店リストはかなりの数に上る。
グルメに引き換え、このところデパートにはとんと行っていない。たまに行くと客が本当に少なくて(デパ地下を除く)、手持無沙汰風の店員さんが気の毒になってしまう。私もようやく服を買わなくなった?…ならよいのだが、相変わらず、服も靴も買っている。だからデパートに行かなくなった理由は、服は専門店(及びネット)、靴は完全にネットになった故である。昨年は夏、ひょんなきっかけから安価な洋服に目覚めた。安いから品質が悪いというわけではなく、汗で2年しかもたない夏服にはこれで十分だ。メーカー毎の私のサイズも分かったので、ネットで注文することもある。
ましてや靴は、欲しいものがいつも具体的である。例えばグレイのアンクルブーツ(24.5?)、靴先が尖って4?(せいぜい5?)のピンヒールと言うと、Aデパートにはない、Bデパートにもない‥万一あってもそのサイズはあいにく切れています…こんなことの繰り返しで、靴を買うのは大変気が重かった。それがネットだと、イメージ通りの靴が多くのブランドから選べ、在庫の有無も分かる。クリックするだけで欲しい品物が届くのだ。返品もOKだし、サイズが違えば取り替えてももらえる(幸い未だ返品も取り替えもない)。ネットショッピングはとにかく、無駄な時間がかからないのである。
加えて、ネット商品は季節を問わず、簡単にセールになる(10%引きクーポンなんてのもほぼ常時ある)。私が昨年Aデパートで定価で買った某ブランド靴の色違いが50%引きで出ていたので、迷わずクリックした。70%引きなんてのもある。デパートだったらセールは夏冬だけ。おまけにセールを待っていたら24.5?は絶対と言っていいほど、もうないのである(22?とか小さいサイズはよく残っている)。
アパレル不況とはいえ、中でネットショッピングだけはぐんぐん伸びている。今後もその傾向は続くだろう。そんな時代にデパートに未だに行く人たちは、特定の高価ブランドに決めている人たちを別にすれば、欲しい物が決まっていないか、どんな物が流行りなのか見てみたいという人だろう。あるいはネットショッピングを知らないか、知っていても(雰囲気が違ったりサイズが違うと面倒だと)避けている人であろう。
デパートを含むリアル店舗は、商品を仕入れてただ売るだけではなく、客が品物を見て、実際に着てみて楽しむ場、店員から流行や着回しのアドバイスを貰い、アクセサリーを含めたコーディネートなども教えてもらう場としてでなければ、生き残れないのではなかろうか。IT時代、いろいろなことが早いスピードで変わってきている。モノからコトへ。外人観光客の要望も大きく変わってきている。アパレルに限らず、デパートに限らず、どこも先を見越した商売をしないと、立ち行かなくなっているように思う。