党員なので投票はしたが、安倍さんか石破さんか‥…うーん。もっといい候補が出ないのか。昔はもっと活気があったのだけれど‥。
17年前、2001年の総裁選を思い出す。属していた派閥の長・亀井静香先生、立候補。4人の候補が各地で選挙戦を戦うのに担当のマスコミがついて回り、そのヒートアップした様子は週刊誌をも賑わした。その人懐こさで亀井先生は意外なほどの(?)人気を博したが、結局、小泉候補と政策協定を結ぶ形で決戦を辞退した。小泉純一郎総裁誕生、その日のことを私は今でもまざまざと思い出すことができる。
小泉氏は実に3度目の挑戦で、総裁選に勝利し、総理になった。2度目は私が国会議員になった1998年のこと。小渕氏が当選、無派閥の梶山氏が2位で、小泉氏は100票を切る惨敗。名前を呼ばれて立ち上がり、不本意そうな表情だった場面もよく覚えている。3度目の正直で総裁になった小泉氏は、亀井氏との協定をきれいに反故にした。亀井氏の無念さを、傍にいた私もよく知っている。
さて今回、3期目の自民党総裁は初めてのことである。現職有利は既定路線なので、専らの関心は、安倍氏が圧勝するかどうか(陣営は、議員票の8割、地方票(党員算定票)の6割を目途としていた)。対する石破氏がどの程度善戦をするのか、であった。昨日出た結果には驚いた。国会議員票405票、党員算定票405票の併せて810票のうち、安倍氏は前者329票と後者224票の計553票。片や石破氏は、前者73票と後者181票の計254票。総計だけを見たらダブルスコアで負けているのだが、地方票に限って言えば、石破氏が全体の45%を獲得しているのである!(彼はもともと地方に強い。6年前の総裁選で165票の地方票を獲得し、それは安倍氏87票の2倍近くあった。)
どうなのだろう。石破氏への投票は、彼を本当に応援しているというより、安倍氏への批判票の意味が強いのではないか。いわゆるモリカケ問題はじめ真摯な対応をしていない、国民に嘘をついている、官僚支配その他独裁になりかけている、トランプに迎合しているがトランプ自体がもう危ういのに、等々。ここで、皆が本当に、石破氏に対して国政のかじ取りを任せられると期待できるのであれば、おそらくはきっと石破氏が当選していただろう。石破氏の言う内容もさることながら、その以前に喋り方や顔つきがちょっと、という人は、私の周りにも実に多い。
もっとも奥様については断然、石破氏が勝っている。慶応法学部の同級生、ミス慶応だったとの噂は本当だろう。私もその昔選挙応援に入った際、その清楚さ上品さ美しさにびっくりした。それほどの女性を自分に惚れさせて、鳥取まで連れてきて、選挙を戦わせているのだから、石破氏の魅力も半端ではないはずだ。それが政治家として直に伝わらないのは、非常に残念なことである。
言ってみれば、安倍一強は、他に人がいないから。自民党が強いのは、他にろくな政党がないから。積極的な選択ではなく消極的な選択。選挙でこの国を変えよう、変えられると思えなくなっているのは、国の弱体化を意味するのではないだろうか。