来る12日(土),事務所近くのホテルで,東京自彊会(明石高校同窓会)の総会・懇親会が催される。昨年来会長に就任している私は(来年母校は100周年を迎える),冒頭挨拶に,ピアノ演奏(ショパンのノクターン遺作の予定。「戦場のピアニスト」で知られる),皆で歌おう2曲の伴奏(選曲したのは「いい日旅立ち」と「花は咲く」)及び校歌(旧制中学・現高校)伴奏とフル稼働(?)の予定。お日柄も良いのに,ピアノを弾くので着物が着られないのが残念である。
その翌週20日(日)には数年ぶりに?神戸大学附属明石中学の学年会が神戸で開かれる。1学年3クラス,140人位だったが,亡くなった人もいてフルで130人位であろう。うちどれだけ集まるだろうか。幹事の強い誘いもあり,私は今回は出席の予定である。せっかくなので前泊して,親しい人たちと夕食を摂ることになっている。久しぶりの神戸!!!! よくぞまあ飽きもせず,学生時代から修習時代,元町・三宮間を歩いたものである。日本中で最も懐かしい通りだから,その懐かしさも半端ではない。次がいつになるか分からないし(いつもこれが最後かもしれないと思うようにしている),噛みしめながら歩きたいと思っている。
大学の同窓たちとは親しいが,高校中学の同窓と未だに繋がっているのは,本当に嬉しいことである。対して小学校(垂水小学校)の皆はどうしているかなと時々思うことがあるが,地元で誰か中心になって動いてくれる人がいなくては無理であろう。学校や職場その他でたくさんの人と知り合うが,その出会いが後まで続くには互いの相性ないし努力が必要である。長年仲が良かったつもりでも,実は本当の人間性まではなかなか分からないもので,何かの拍子に隠されていた本質が露呈することがある。
長い間一緒にいれば人間同士は分かり合えて親しくなれるのであれば,親子関係の断絶もないし,離婚もない。長く付き合って相性が良いと見極めて結婚したはずが,暴力傾向なり自己中心性なり金銭感覚のなさなり,が見えてきて,果ては泥沼離婚になったりもする。最初から本当のところが分かっていれば,誰も結婚などしないし,ましてや子供を設けたりなどしないはずだが,うまく隠されていたのか,恋にくらんでよく見えていなかったのか。いずれにして人間の本質はなかなか見えないのは事実である。怖いことだが,何か事が起こって発覚し,大の親友が一気に疎遠になったりもする。
15年程前の事件で「夫はモラハラです」と該当一覧表を見せてくれた依頼者がいた。夫の自分への仕打ちがあまりにひどいので,パソコンを検索していて,ぴったりなのを見つけたのだという。たしかに妻への連日の誹謗中傷,思いやりのなさ,自己中心性,嘘つき,すさまじい金銭欲とどれもが半端なかった。モラハラ(モラルハラスメント)は当時新しい概念だったと思うが,その後パワハラやセクハラはもちろん,アカハラ(アカデミックハラスメント),マタハラ(マタニティハラスメント)やら盛りだくさんになっている。
モラハラはもうすでに定着している感があるが,最近私は,これはその人の人間性の表れ方であり,本質的には(人格障害でなければ)発達障害といったものがあるのではないかと感じている。発達障害も注目されるようになったのは比較的新しく,自閉症,アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害(自閉症スペクトラム),学習障害,注意欠陥多動性障害などを含むとされている。子供の時からこの特性が明らかな人もいれば,(知能とは無関係で優秀な人も多いので)大人になって,とくに他人との密接な関係を必須とする結婚生活を送るようになって,人とうまく折り合えない欠陥が顕著に出てくる場合もある。発達障害の夫に悩む妻を「カサンドラ症候群」と呼ぶそうである。
癌の研究は進んでいるが,精神病(統合失調症や躁鬱病)に代表される脳の研究はあまり進んでいないように感じる。人格障害や発達障害も脳のどこかに何らかの症候があると思われるし,それが分かるようになれば,人間関係の処し方も少しは易しくなりそうな気がするのだが。