3月は行事・会合続きで、事務所になかなかおられず(例年こんなに忙しかったかなあ。まあ、コロナで会合なしが続いていたせいもあるだろうが)、その合間を縫っていろいろ片付けていたという感じだった。4月になり、少しは楽になったかと思いきや、来週から大学が始まるし、やはりとにかく毎日が体力勝負である。体力なくして気力も知力もない。体調維持は仕事だから、早寝早起き、健康的な食事、そして出来るだけ歩くことは必須である。タクシー代をほぼ使わなくって久しい。
さて毎日テレビ観戦でわくわくしていた大相撲(大阪場所)が劇的に終わった。新入幕尊富士(24歳)の13勝2敗という素晴らしい成績(負けたのは大関豊昇龍と元大関朝乃山)。相撲内容が速攻相撲で素晴らしく、文句のつけようのない圧倒的な強さかつ技能であった(三賞も受賞)。1月場所観戦のとき、十両にいたこの人を知らなかった(読み方も分からなかった)のは、初関取だったからで(十両も優勝)、昨年は幕下にいたからだと今回分かった。所要10場所で幕内優勝、この間計10敗という驚異的な強さである。青森出身だが、鳥取城北高校→日大という相撲エリート校に在籍しながら、怪我でさほどの成績は残していない。大卒といえば幕下10枚格付け出し(遠藤、御嶽海、そして大の里)のイメージが強いが、彼はいわゆる叩き上げである。
稀勢の里の弟子である大の里(23歳)も期待の力士で、この2人が今後大相撲を引っ張っていってくれるだろうと期待している。くれぐれも怪我に気をつけてと願う。その反面、横綱休場、大関が4人もいて優勝争いに絡まないのだから、一体番付の意味はどうなっているのだろうと思わされた。三役が新鋭の壁になるどころか、あっけなく完敗したりして、一体どちらが大関か分からないような取組は、気持ちの良いものではない。それぞれ稽古方法も見直して、鍛え直してほしいと願うばかりである。白鵬については身から出た錆だと思うが、その増長を長年にわたって許していた相撲協会は、決して単なる被害者ではないはずだ。理事長に何のお咎めもなく、あまつさえまた2年やるって、それはおかしいのじゃないか。やはり体制として抜本的な刷新が必要だと思わされる。なにせ1リーグの独占企業だし、力士は自分の意思で他の部屋に替わることもできないのである。
大谷の案件。通訳である水原に口座管理も完全に任せていて、7億円もの高額な金が知らないうちに送金されていたというのは、もしそれが本当ならばずいぶん間抜けな話だし、実際そんなことが出来るだろうかという根本的な疑問がある。一回の送金には限度額があり、多数回にわたって送金しなければならないし、その都度本人のスマホなり何なりに通知が来るようになっていないだろうか。水原としても、バレれば解雇が待っているのだ。私が考えているのは、水原が、連帯保証人になったか何か、家族なり友人のことで多額の借金を背負ったと嘘を言い、水原を信じきっている大谷は送金の許可を与えたというストーリーである。大谷としてはそれで終わっていた話が、送金先が違法賭博胴元で、そこに捜査が入って、大谷の送金が分かり、結局水原の嘘もバレて、大谷が巻き込まれたということではないだろうか。となると、大谷は窃盗被害ではなく詐欺被害ということになり、どのみち被害者であることに変わりはない。大谷自身が賭博をやっていて水原はスケープゴートだという悪意の見方をしている人がいるが、大谷は一切の遊興に興味が無く、野球一筋で来た人間であり、それはありえないと思う。
水原は学歴も詐称している。根本的に詐欺師の素質があるのだ。詐欺師は人に取り入るのがうまい。欺しているとの認識もなく、ごく自然に嘘が口をついて出るから、誰もが本当のことだと思ってしまうのだ。長年にわたって信じ切り、一番親しかった人間に裏切られた大谷の痛みは相当のものだろうと思う。ちょうど、支えになってくれそうな方と結婚していて、本当に良かった。詐欺師かつギャンブル狂に、まともな金銭感覚などあろうはずはなく、おそらく他にも借金だらけで、真っ当な人間関係はおよそ営めない人だと思っている。人間は、自分の分かる範囲でしか物事を認識できないので、真っ当な人間ばかりの間で育った人にはこういう人間がいるとさえ想像もつかない。
しかし、いるのだよなあ、まともな金銭感覚のない人が。事件関係者(被疑者)がそうならば大して驚きもしないが、例えば普通に公務員を長年にわたって勤め、かなりの給料を貰っていながら、60歳位にもなって、ほとんど一銭の貯金もないといった人が実際いるのである。銀座での豪遊とかホストクラブとかではなく、ちょっとした飲み食いなどで、今あるだけを使ってしまうのだ。もちろんすぐにタクシーに乗るのは当然のこと。まもなく定年になり、年金は支給されるだろうが、給料に比べて微々たるものなのに、生活感覚は直らないから、老後破産まっしぐらである。くらばらくわばら。人間の本質はなかなか分からないものだから、何かおかしいと感じたら、以後決して関わらないようにしなくてはいけない。