ようやく涼しくなり衣替えをしました。不動産価格について思うこと

石川能登地方の記録的な大雨被害。年頭の地震に続いて、本当に気の毒過ぎる。寄付などをする以外何も出来ないのだが、どうか切り抜けてほしいと願うばかりである。地震を筆頭に自然災害は今やどこにでも起こりうると思うほどだ。地球温暖化というけれど、日本は完全に亜熱帯地方となっている。我が家でも毎夜のごとく大雨と雷が突如としてあり、まるでスコールだわと思わされている。長く厳しい残暑だったが、さすがにようやく昨日少しだけ涼しくなった。で室温を見ると早朝なのに28度もある。ずっと32度位あったのである。

まだまだ暑い日はあるが、もう真夏のワンピースは着ないし、手持ちの秋冬物をチェックして人に差し上げるなり捨てるなり整理すべきものはしないといけないので、昨日思い立って衣替えをした。例年秋と春に大がかりな衣替えをする。靴も付属品も多々あるし、全体にもともと数が多いので、大変な作業である。体力が徐々に落ちてきたし、これもいつまでちゃんと出来るのかなあと考えてしまった。思い立ったが吉日で、ついでに着物も長襦袢その他中に着るものを、夏物から単衣・袷用に変えた。今月末に単衣を着るつもりだが、はてさてどの程度暑いものだろうか。昨年を振り返ると、たぶん10月一杯は単衣で済みそうだ。衣食住。お料理は幸い好きで助かっているが、凝ったものは面倒になり、軽くて簡単なものばかりになっている。凝った料理をしょっちゅう作り、お客さんもよくしていた昔の私が、魔法の杖で料理人で出てきてくれたら、どんないいいだろうと思ったりする(笑)。ただ周りにはいくつになっても衣食住をさぼらずきっちりされておられる方も少数ながらおられ、心から尊敬する。それこそが生活(=人生)の基本だと思っているからである。

料理を作るのが面倒になって介護施設に入ったとはよく聞く話だが、確かにそうすれば、三度三度の食事は出てくるので献立も買い物も洗い物も要らず、あとはただ食べるだけである。部屋のスペースも小さいので掃除の手間も片付けも要らないだろう。洗濯もやってもらえるのかもしれない。24時間が完全に自由になれば、しかし寝る以外は何をすればいいのだろう。散歩? 読書? テレビ鑑賞? 音楽鑑賞? それだけで一日が過ぎるだろうか。一日はいいとして、1週間、一月、一年、それが翌年も続いていく…長いなあ。暇であることは忙しいよりずっとか苦痛である(と私は感じる)。大体家事をしなければ、ぼけるのではないか。家事はまずは体を使うし、献立を考えて余り物をうまく使うし、掃除の手順や整理片付けと、頭も結構使うものである。これからどんどんしんどくはなってくるだろうけれど、やっぱり、人に頼らず、出来る限り自分でやろうと思う次第である。

さて、不動産のチラシが毎日のように入っていて、買うつもりも引っ越すつもりもないが情報として眺めている。都市部のマンションの値上がりは半端ないことがよく分かる(港区など10年前の3倍だとか?!)。1億などは安いほうで、2億、3億は当たり前(5億、10億も驚かない。一体誰が買うのだろう)。もちろん土地も当然ながら値上がりしている。先日も神戸の知人から相談?を受けたのだが、東京に住んでいる息子がマンションの家賃25万円は高いので一軒家の購入を検討しているとのこと。聞いてびっくり、その額なんと1億円! 不動産屋は買えると言っているらしいが、そんな話は決して信じてはいけない。支払うのは自分であり、不動産屋は彼らの利益(仲介手数料)のために仕事をしているだけである。買えばおしまい。売ればおしまい。売主からも買主からもそれぞれ価額の3%を徴収する(両者を共に代理するのは双方代理ではないかと思うのだが)。不動産価格が高くなれば仲介手数料もそれだけ上がるのである。

その物件、都心ではない、東京の外れである。その分土地が広いのかと思いきや、20坪だと。狭すぎる! 建坪率ぎりぎり建てての3階建てはもちろん階段である。ああしんど。隣とも接して建っているから日当たりも悪かろう。あのね、ローンを組むのは年収5年が限度だよ。息子さんの職業からして年収は良くて1000万円(妻は働いていない)。今40代前半だと定年まで20年。それまでにローンは払い終わっていないとまさしく老後地獄が待っている。頭金をどれだけ払えるのか知らないが、30~35年ローンなんて、結局金利分で元金の倍払うことになる。仮に定年までの20年ローンを組んで金利合計1億5000万円を払うとしたら、年750万円である。ほぼ年収分を住居費に充てるって、どうやって生活するの? 35年払いで1億7000万円払うとして年500万円弱。それでも年収の半分を住居費に充てることになるうえ、20年後には無職で年金暮らしとなるのだから、以後払える当てもないのである。退職金をすべてローン支払いに充てる人も多いけれど、それで払いきれるはずもないし、そもそも退職金は老後のために必要なお金のはずである。子供の教育費もバカにならない。医療費その他、急な出費もあるだろう。ローンを払えなくなってやむなく自宅を売る人は多いが、ローン残で相殺されて何ほども残らないどころか損になるのは普通のケースである。そのあと家はどうするのか。年を取ってくるとなかなか貸してはくれなくなる(近年は自動更新のない定期借家が主流になっているし)。

片や、マンションを借りている場合は管理費・修繕積立金は不要だし固定資産税も不要である。不具合が生じれば大家に言ってなんとかしてもらえる。変な隣人が来たり周りの環境が悪くなったりすれば引っ越せばよいのである。この点、賃料を払い続けても自分のものにはならないし勿体ない、それくらいなら買ったほうがよいと言う人は多いけれど(私も勿体ないことをしているとよく呆れられる…)、そもそも住居は住み賃、つまり使用の対価であって、所有は副次的なものにすぎないのである。子供はリフォームが必要な古い家よりお金のほうを喜ぶし、そもそも子供に相続させる必要もない。教育を受けさせてあげればそれで十分である。皆が考え方を変えないと、不動産価格は上がるばかり、不動産屋を喜ばせるだけになってしまうのではないだろうか。

カテゴリー: 最近思うこと パーマリンク