またもや政権投げ出し!

 1日夜は本当にびっくりした。福田総理,突然の辞意表明!!
 ちょうど1年である。安倍総理の所信表明直後の投げ出しよりはましだが,どっちもこっち。12日に臨時国会が始まるこの時期になんて,思いもしなかった。公明党の離反その他,いろいろ理由はあるにしろ,いずれにしても,もう俺はやーめた,と投げ出した事実は変わらない。

 公私ともに何であれ不愉快なことがあると,その理由を冷静に考えるのを習わしにしている。でないと,あらぬ方向に嫌な思いをぶつけてしまい,あとで取り返しのつかないことになったりするからだ。亀の甲より年の功。そんなこともようやく見えてきた。

 なぜ不愉快か。それは,この地位に当然必要な,相当な覚悟が欠如しているからである。
 万が一総理になれるとしても,普通の人は,自分にはとうていそんな重責は担えない,とうていその器ではないとして断るはずだ。とまれ,ちょっとした会社でも,経営者がどれほど大変か。経理も営業もすべてに目配りが必要。でないと会社はいずれ立ち行かなくなり,社員たちは行き暮れる。中小企業だったら金を借りるのに連帯保証もしているから,自分だって身ぐるみはがれかねない。よほどの覚悟,力量が必要だ。私なぞ自分がちょっとした会社の経営すらできないことを十分に自覚している。
 それがもっとずっと,質量ともに比べるべくもなく大きな,日本国社長なのである。その立場はひとり日本国にとどまらず,国際的にも大きく影響する。それが普通の会社以下の覚悟でやれるということがおかしい。おかしすぎる。

 福田総理にしてみれば,昨年の今頃,急に無責任にほっぽり出した安倍総理の後を受け,それも皆が麻生は駄目,どうしても貴方にやってほしいと担ぎ出されたからなっただけなのであろう。もともと大した覚悟はなかった。いつでもやめればいいと思っていた。だからもう,ここで限界だとして,やめた。ただ,そういうことなのであろう。情けない。

 何が情けないといって,そういう人しか出ない,そういう人がトップに担ぎ出される,そういう事態が情けないのだ。今回の事態を受けて,やっぱり2世・3世は駄目だと言う人が結構いるが,たしかにすでに,総理が選び出される集団自体が弱り切っているのである。かといえ,民主党を見ても,これといった人材は見いだせない。前々から言うように,小選挙区制では自ずから限界があるのだ。自民党に関していえば,公明党を巻き込み,創価学会の支持がなければ当選は覚束ない体たらくになってから,急速に弱体化した。

知り合いの会社社長が言う。「我々はやめられない」。知り合いの小学校教師が言う。「大分の事件なんて可愛いじゃない。みな懲戒免職になったり,逮捕もされた。だけど,こんな無責任なことをしても,彼らはみなそのまま居座っている。議員辞職もない。おかしいのじゃないの」。まさにその通り。そこにこの,どす黒い不愉快さの源がある。

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