この1か月,仕事がとても忙しかった。重なるときは重なるものである。
その分,ゆっくりできるときにこそいろいろ勉強をしておくべきなのだが,よほど立派な人間でもないかぎり,なかなかそううまくいかないものである(といつも反省する)。
それにしてもよくぞ毎日これだけニュースがあるものだ。
宮崎口蹄疫牛問題が拡大の一途をたどり(酪農家の方々が気の毒で見ていられない。一次産業は天候に左右されたりで大変である),普天間問題は案の定元の黙阿弥,この度ついに社民党が連立を離脱した。今月21日には小沢氏が再度不起訴となり,検察審査会の再議決待ちとなった。7月11日参院選には,雨後のタケノコのようにまたぞろタレント候補が担ぎ出されている。つらつら見るに,明るいニュースはとんとない。
振り返って,「最低でも県外」と首相が公言したとき,実にびっくりした。
となるためには移設先とアメリカ,2つの同意が必要だ。いずれもが裏交渉で完全に決まっていてさえ,相手があることだし,まだ公にはまだなっていないのでいつひっくり返るか分からない。だからかなり控えめに言うべきものだ。これは別に,駆け引きといった難しいレベルの話ではなく(もちろん政治家ほど難しい駆け引きができなくてはいけない職種もないが),最大限を一度言ってしまえば,うまくいって当たり前,万一うまくいかないときには不満や非難の的となるのは必定だからである。実際,沖縄がそうなった。沖縄問題の根幹は実は差別問題であり,今回の首相の一連の対応は,沖縄住民の,本土から差別されているという意識に火をつけた。沖縄は1972年,アメリカから返還された。
由紀夫氏はこれまで,希望を述べさえすれば周囲の誰かが叶えてくれるという恵まれた環境にあったらしく,今回も勝手に?そうなるものだと思っていた節がある。まさに宇宙人であり,政治家には最も向かない人種であると言ってよい。BR> 社民党党首の,「私は絶対にいや」の駄々っ子対応にも辟易したが,そもそも連立を組む以上,安全保障といった国の根幹に関わることは政党間合意をしておくべきものである。ただの数合わせで見切り発車をした,その結果がこれだ。
首相を替えようという動きがようやく出始めたらしい。とはいえ,これといった人がいない。英国ではこの度の総選挙で43歳同士,党首2人の連立内閣ができ,羨ましいといったらない。
英国は典型的な階級社会の国である。支配層は,選ばれた階層に生まれ,選ばれた学校(イートンやハローを出て,ケンブリッジかオックスフォードで学ぶ)で伝統的な教育を受けた教養人である。片や日本は世界で最も成功した実質社会主義国家であり,平等主義がいきわたって(いきわたりすぎて),出自や学歴にはほぼこだわらない。
スポーツマンやタレントを馬鹿にするわけではないが,人生の大事な時期を学業以外に費やした結果,今があるはずだ。各種専門家には資格が要るし,またそうでなくてもキャリアが評価されるのが当然の中,政治家だけはど素人でいいというのは理がなく,国民をばかにしている。そしてますます日本は世界になめられてしまう。