内閣不信任を出すなんて、

 早や6月。1か月後には1年の半分が終わる。ため息…本当に早い。このところ忙しくて、日曜出勤が常態化しているが、昨日ようやく一息ついた。

 大地震以後世の中の景色がずいぶん変わったが、その一つに原発の実態がある。政治や産業界の大きな利権。地方への多額の交付金ばらまき。東電の、高すぎる役員報酬。従業員8万人のうち1万人ほどしかいない正社員は危険な場所に立ち入らず、下請け・孫請け・日当で雇われた作業員が、専門知識も訓練もないまま、劣悪な被爆環境下で働いているのだという。また、使用済み核燃料は処理されないので、排便がないのに食べ続けている状態だという。浜岡原発など、あんな危険地になぜ、と驚くばかり。

 菅内閣のもたつきには腹が立つことが多いが(多額の義捐金も未だに分配されていない)、原発が自民党政権下で乱立したのも動かせない事実である。マスコミには、誰がどれだけの政治献金を貰って原発を推進させたのか、洗いざらい明らかにしてほしい。政治資金規制報告書や国会議事録など洗えば、出てくるはずだから。

 未曾有の国家的危機の場合には、どの国でも挙党一致内閣(救国内閣)を作るはずである。菅さんの未熟さは政権内部で補い協力し、自民党はじめ野党も精一杯の協力を惜しまない、という形。それをなんで今この時期に内閣不信任なのだろう。政治は国家国民のためにあり、党や自分たちのものじゃないが、民主党内部の抗争の具にすら使われている。しかも菅さんが外国に行っているときにこんなニュースが流れたんじゃ、他の首脳らも日本代表を無視するはず。国家的恥辱だなあとつくづく思う。

 国会質疑を聞いていても、建設的意見は出ず、政権の非難、挙げ足とりばかり。これでは何も進まない。内閣不信任案が可決するには造反者が足りないとされるが(造反者は離党覚悟をしなければならないので、政治的経歴の浅い者は踏み切れない)、万一可決されたとしたら、菅さんは内閣総辞職するか、あるいは解散総選挙に打って出るか。次期総理は誰か。誰だったら速やかに、的確に対処できるか。まさか、小沢さん? 彼は刑事被告人である! 総選挙をしているような悠長な時期でないことは自明だし、国民も誰も選べない。民主党は嫌だし、さりとて自民党も。要するに、究極の政治不信である。

 最近のニュースでは布川事件の再審無罪判決。だいぶ前から無罪だと思っていた。他にも冤罪だろうと思っている事件がある。冤罪事件に絡んで、このころやたら取りざたされる取り調べの可視化の是非。検察(及び警察)捜査については思うところがあるのだが、時間のあるときに別稿で。

 節電で、裁判所も大学も冷房を効かせていない。とくに裁判所は窓のない部屋も多く、気温が高い時には蒸し風呂のように暑い。7月になっても冷房を入れないとか、あるいは29度に設定するとか、定かではない噂が流れている。今後は上着を脱いでも大丈夫な服装にしないといけない。それでもなおかつお洒落な服となると、前例がないだけに、難しい。新しいファッションが登場するだろうか。

 

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