154 法務委員会 2002/3/19    [  BACK  ]
○佐々木知子君  自民党の佐々木知子でございます。おはようございます。
 私は、今日は治安の悪化の問題、外国人犯罪問題、それから組織暴力団に絡む 問題を中心に質問させていただきたいと思います。
 実は、この八日に予算委員会で私は質問させていただいたんですけれども、持ち時間、私の質問時間はわずか二十分ということで、余り大したことは聞けなかったのですが、質疑時間中から私の事務所の電話は鳴りっ放しで、メールももう百件近く来ております。2ちゃんねるというサイトがあるということは私、承知しておりましたけれども、そこでいち早く、外国人犯罪を追及した佐々木知子という題名で、もう百件以上の書き込みがなされているということで、この反響の大きさに私自身、実は心からびっくりしているということなのです。
 何がそんなに反響を呼んだのかというのは、実は治安の悪化を懸念している日本国民が今非常に多いと、そして外国人犯罪についても物すごく懸念している。そして、私はそれに関しまして、こういう密航者も多いような日本でかなり犯罪もやっている中国に対して、また武器輸出も疑念もあるのにかかわらず、年二千億円を超えるODAを拠出しているのはいかがなものかといったところにも、もう非常に感激した、もう感動したと、日本の政治家でこれを言ってくれた人はいなかったと、本当かどうか知りませんけれども、そのような乗りの激励がもう本当すごいのです。
 もう私はそれを聞きまして、やはり一般国民の声というのはそういうところにあるのではないかなと、政治家はそれをやはり酌んでいかなければならないのではないかなというふうに思った次第です。
 前、時間が足りなかったので詰めれなかった分をちょっとお聞きしたいというふうに思います。
 まず、ピッキングが地方に拡散していることが問題だというふうにお答えになりましたが、それについて、現状と対策についてお答え願いたいと思います。これは警察になりますけれども。
○政府参考人
 (吉村博人君)
 先生御指摘のとおり、近年、不法滞在の外国人を始めといたします来日外国人などによるピッキング用具を使用した空き巣でありますとか金庫破りでありますとか事務所荒らしなどの侵入盗事件が都市部を中心
に多く発生をしているところであります。
 それで、実はこの種のいわゆるピッキング用具を使用した空き巣ねらい等の統計は別途取っていなかったわけでありますが、平成十一年になりまして初めて、警察庁といたしましても一度数字的なものを把握をしてみようということで、東京とそれから首都圏、千葉、埼玉、神奈川と愛知について、平成十一年にこの五都県について統計を取りました。
 そういたしますと、平成十一年が九千四百三十五件の発生認知であったわけであります。この同じ、この五都県の推移を申しますと、平成十一年が九千四百三十五件、それから平成十二年が二万二千八百六十ということでかなり増えている。昨年、平成十三年はこれが一万三千七百七十二件になった状況であります。
 一方、これを、全国統計を取り始めたのが平成十二年からであります。平成十二年はピッキング用具使用による侵入盗事件は二万九千二百十一件でありました。ただいま申し上げましたが、十一年から十二年にかけて大幅に増えましたので、全国で数字を見ますと、今申しました二万九千二百十一件。十二年の八月になりまして、全国の警察に対しまして、特にこの種のピッキング盗を取り締まらなければならないということで、取締りとそれから防犯、両面からの緊急の取組を実は指示をしたわけでありまして、それが多少功を奏したのかもしれませんが、十三年中は全国の数字でこれが一万九千五百六十八でありますので、依然として多発はしておるわけでありますが、九千六百件余りの減少は見たということであります。
 これの大きい減少要因は、警視庁管内におけるものでありまして、その部分が、その分の数があるいはほかの諸都市に波及しているのではないかということで多少数字を拾いますと、例えば大阪あるいは埼玉等が十二年と十三年統計を比べますと増えているという状況にありまして、これが地方、全国にも、多い少ないの差はありますけれども、増えるということで拡散と言われているのかもしれませんが。
 私どもといたしましては、こういう現状を踏まえまして、取締りと防犯と両面あると思いますが、取締り面におきましては、取締りに当たる警察官を増やして被疑者の発見検挙を図るということで、都道府県警察相互間の連携を密にして今後ともやってまいりたい。一方、防犯面からは、いわゆるねらわれやすいアパートあるいはマンション、会社事務所というのはあるわけでありますので、その管理者に発生の実態等を伝えまして、どのようにすれば被害に遭わないで済むかという指導を積極的に今後とも行ってまいりますほか、いわゆるピッキングに強いかぎ、錠の普及促進を図るよう関係方面に働き掛けを行っているところでございます。
○佐々木知子君  私、この週末に新潟の長岡というところに行ってまいりました。御存じ、田中角栄さんの出身の、出身地でございますけれども、そこで話していましたら、随分もう空き巣に入られているということがもう間々あるそうでございます。田中角栄さんがおられたからでしょうけれども、随分いい道路が通っておりますので、ここは田舎ではないのだ、都市だと思えというふうに警察から言われているということでした。ただ、警察官が来られて、今凶悪犯罪が多いので、とてもじゃないけれどもここまで手が回らないんですよということもやはり言われたというようなことを言われておりました。
 前回も、強盗の検挙率が実に五〇%を切ったということ、これはもう衝撃的な私は検挙率だというふうに思いますし、侵入盗の検挙率は実に三〇%を切ったと。これはもう三件に一件しか挙がらないということでございますから、これは、日本の治安というのはもう非常に体感として悪化しているということがこれは顕著に現れていると思います。これは、警察官の人数が足りないとか、もう凶悪犯罪が増えているので手が回らないとか、そういう問題では決してないので、本当に前向きに取り組んでいただきたいというふうに心から要望しておきます。
 それから、来日外国人が日本の暴力団と組んで犯罪を犯しているという問題があるということを述べられました。
 暴力団対策法、俗に言われていることですけれども、正確には暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、これが平成四年に施行されまして、ちょうど十年たったわけでございます。これについていろいろと新聞などでも書かれておりますけれども、これはちょっと変わった法律でして、指定暴力団というのを、ある程度の組織、ヒエラルキーがあって、その中でこういう犯罪を犯している前科者がどれだけ割合いるかということでまず指定暴力団というふうに認定をいたしまして、その中の暴力団員であればこうこうこうこう、こういうような要求行為はしてはいけませんよと。それに対してまず中止命令があって、それを聞かない場合に初めて刑罰が適用されるという法律で、これ、できるときにはもう随分、弁護士会だとかいろんな識者の間からも反対があったというふうに私も覚えているわけですけれども、まずこの法律は大体どこの法律を念頭に置いて作られたものでしょうか。ちょっとそれをお聞きいたします。
○政府参考人
 (吉村博人君)
 委員御指摘のとおり、暴力団対策法ができまして今、十一年目に入っているわけでありますが、その当時の立法といたしましては、お答えにならないかもしれませんけれども、それまでいわゆる暴力団あるいは暴力団員という概念が法律上の概念としてはまだなかったわけであります。
 それで、暴力団対策法につきましては、委員今御案内のとおりでありますけれども、直接的な団体規制をするわけではないということで、いわゆる刑罰法令に触れる真っ黒な部分についてはそれなりの手当てがこれまでもできたわけでありますけれども、グレーゾーンといいますか、恐喝までは至らないというようなものについてきちんと措置を取るようにしなきゃいかぬということでその行政命令を出せるようにしたという法律でありまして、恐らくこれは当時の諸外国の立法例を参照して作ったというよりかは、我が国で団体規制はなかなか正面から難しいという事情も当時はあったと思いますし、まずは暴力団員ということで堂々と町を歩いている人間に対してグレーゾーンの行為をやった場合にはやめなさいということが言えるということをもってその法律の中心部に据えたわけでありまして、この法律が結果として日本の社会におきまして暴力団員、暴力団排除活動につながっていったという意味では非常に意義が大きかったと思いますが、殊更モデルとした諸外国の法令があったとは承知をしておりません。
○佐々木知子君  そして、この暴力団対策法が施行されて実際に暴力団の数は減ったけれども、準構成員が増えているというふうにお聞きしています。つまり、正面切っての暴力団ではなくなったけれども、何らかのかかわりを持って、そして犯罪形態としてはいわゆるみかじめ料やショバ代というような伝統的な彼らの活動形態、つまり暴力団対策法に挙がっている十五種類でしたか、の行為そのものはしない代わりに、ちょっと潜行しているのではないかというふうに指摘があるんですが、これについてちょっと全般的にお答え願えますか。
○政府参考人
 (吉村博人君)
 警察で現在、暴力団構成員と暴力団準構成員という概念を使っておりますが、暴力団準構成員とは、構成員ではないが暴力団と関係を持ちながらその組織の威力を背景として暴力的不法行為等を行う者、又は暴力団に資金や武器を供給するなどしてその組織の維持運営に協力し、若しくは関与する者をいうというふうに、私どもの方では位置付けておるわけであります。
 それで、おっしゃられるとおり、平成四年、暴対法が施行になりました時点におきましては、構成員が五万六千六百人、準構成員が三万四千人でありましたので、いわゆる暴力団勢力と呼んでおりますが、その構成員数と準構成員数を合わせました数としましては九万六百人であったわけであります。これが昨年の数字を御紹介いたしますと、構成員が四万三千百人、準構成員が四万一千三百人、合わせて八万四千四百人ということでありますから、確かに準構成員の数が増えているという状況にはなっております。
 なかなか暴力団構成員と認定できない者、意図的に看板を外している者等々があろうと思いますから、警察といたしましては、暴力団の周辺で、冒頭御紹介いたしましたように、各種の犯罪行為等を行う者が準構成員という整理でありますので、これらの者に対する取締りを今後とも推進もしてまいりたいというふうに思います。
○佐々木知子君  かつて、暴力団はこういう──今さっき済みません、十五種類と申し上げましたが十四種類ですから、訂正しておいてくださいませ。
 こういうショバ代とか、みかじめ料とか、そういう彼らのシノギで生活をしていたのが取り締まられるようになったものですから、それまでは覚せい剤というのは実は御法度と言っている暴力団が随分本当は多いんですけれども、もう覚せい剤は随分もうかるものですし、これにもう大っぴらに手を出さざるを得なくなったということも一つ言われております。
 それから、外国人と組んで犯罪をやる、ある意味ではビジネスかもしれませんけれども、そういうふうにやるようになった。民事介入暴力の問題も言われておりますし、ある意味では正当な会社のような形を作ってビジネスをやるというようなのも増えてきているやに伺っております。
 だから、暴力団というものがかなり暴力団対策法によって締め付けをやったその効果として、ほかのところにいろいろと波及しているというふうに私は考えられるのではないかと思いますが、まず私、覚せい剤についてお聞きしたいんですけれども、覚せい剤というのは日本では製造されておりません、のはずです。ほとんどが外国から流れてくると。ほとんどが中国が多いというふうに聞いておりますけれども、中国及び北朝鮮が二大ルートではないかというふうに思いますが、この密輸実態についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人
 (黒澤正和君)
 日本の薬物、ほとんどが委員御指摘のとおり、覚せい剤でございます。
 近時、覚せい剤の押収量が大変増えておるわけでございますけれども、去年は約四百キロほどの覚せい剤の押収でございますが、平成十二年は約一トン、平成十一年は何と約二トンの押収量でございますが、この大量押収、密輸、委員御指摘のとおり、日本で作っておる例はほとんどないと言っていいわけでございまして、外国からやってくるわけでございますけれども、今大きなルートとして、私ども事件検挙面から把握いたしておるわけでございますけれども、中国と北朝鮮ルートがほとんどでございます。
 以上のような実態にございます。
○佐々木知子君  それで、検挙者というのは日本では残念ながら末端使用者というのがもうかなりの部分を占めてしまって、密輸している本体そのものは余り摘発というのはうまくいっているとは限らないわけですけれども、検挙者の中に占める暴力団員の割合というのは、これはどれぐらいおりますか。
○政府参考人
 (黒澤正和君)
 約四割ぐらいでございます。
○佐々木知子君  それは、自己使用、それから所持、それから譲渡し、譲受け、そういうのに限った場合にはどういうふうになりますか、分けた場合には。
○政府参考人
 (黒澤正和君)
 ただいま具体的な数字は持ち合わせてございませんが、罪名としては使用が多いんでありますが、ただそれはあくまでも逮捕した罪名でございまして、実態として暴力団は密輸に深く関与し、そして国内の密売、特にイラン人が覚せい剤を街頭等で密売をいたしておりますけれども、そういった密売にも関与しておる実態にございまして、そういう意味では逮捕する罪名は使用が多いという傾向がございますけれども、実態としてはそのような密売、密輸にかかわっておる暴力団、そういった者も捕まえておるということでございます。
 ただ、いかんせん、組織的に行われる事犯でございまして、突き上げと申しますか、上の方になかなか検挙が突き上がっていかないというのも実情でございます。
○佐々木知子君  イラン人が覚せい剤を扱っている。上野公園で暴力団にショバ代を払うんですか、それの見返りとしてというか関係ができたんで覚せい剤を手に入れて、小分けにして、パケにして青少年に売り出すようになったのが青少年などにも浸透するようになったきっかけだということも聞いたことはあるんですけれども、このイラン人が覚せい剤にかかわり出したと、少なくとも日本の警察がそういうことを把握し始めるようになったのはいつごろからですか。
○政府参考人
 (黒澤正和君)
 ただいま資料を持ち合わせておりませんので正確な年数はここで今申し上げることはできませんが、過去五、六年にわたってイラン人が大変密売において目立っておる、そういうことは言えようかと思います。
○佐々木知子君  実は、平成四年に検挙されたイラン人はたった一人です。それから、平成六年に八十五人になりまして、それから平成七年に百二十人、平成八年二百十八人、平成九年二百二十人ということで、やはり数年ぐらい前から目立って検挙者が増えるようになりました。
 このイラン人と日本の暴力団が組んでいるということの実態については、どの程度把握されておられますか。
○政府参考人
 (黒澤正和君)
 現在、密売人で外国人が検挙されます多く、一番多いのがイラン人でございまして、このイラン人は特に携帯電話等を利用いたしまして、例えば町中でお客を、お客になりそうな少年とかそういったものを物色する、あるいは買いたい者が口コミでその電話番号を知る。
 なお、大変巧妙になっておりますのは、この携帯電話の番号等を知らせるのは、今申し上げましたように、町中で声を掛けて電話番号のメモを渡す、そして売り渡すイラン人はまた別の人間である。それから、隠しておる押収物、これは隠し場所が、例えば町中のごみ箱の下でありますとか、いろいろ巧妙に隠匿がなされておりまして、それも小分けをして隠してある。いろんなところから持ち出してきて、そしてお客と接触をし、そしてそれを売り渡すというようなことで、こういった売人のほとんどがイラン人という実態にございます。それが卸しているのが日本の暴力団と、このような実態にございます。
○佐々木知子君  今、第三次覚せい剤の乱用期というふうに認定されているわけですけれども、中学生や高校生にまで広がっていることが非常に深刻な問題だというふうにも言われております。その実態についてはいかがですか。
○政府参考人
 (黒澤正和君)
 少年による覚せい剤の検挙面でございますけれども、昨年は九百四十六人少年の検挙、覚せい剤事犯で検挙いたしております。平成十二年が千百三十七人、平成十一年が九百九十六人でございまして、近時で多かったのは平成九年の千五百九十六人という数字になっておりまして、少年をめぐる薬物問題というのは深刻な問題と認識をいたしておるところでございます。
○佐々木知子君  何か大麻も最近は増えているというふうに伺っているんですけれども、そのように認識してよろしいでしょうか。
○政府参考人
 (黒澤正和君)
 数字は今申し上げましたような状況でございまして、必ずしも子供が極端に増えているという状況にはございません。ただ、これはあくまでも検挙した少年の数でございまして、少年が実際にどのぐらい覚せい剤を使用しておるのか、その辺は必ずしも明らかではないわけでございます。
 それと、やや、ややと申しますか大変と申しますか、懸念をいたしておりますのは、覚せい剤系統の薬物と大ざっぱに言えば言えるんですが、MDMAといった錠剤型の薬物、それからヤーバーといいまして、これはタイの方から来るんですが、これは覚せい剤、これまた錠剤型でございまして、錠剤型というのは大変使用しやすいわけでございますけれども、それが近時、大変増えておるという状況にございます。
 また、覚せい剤ではございませんが、大麻でございますけれども、これの押収量が昨年は大変増えておりまして、少年がやはり増えておるということでございまして、少年の薬物問題、数字の面、覚せい剤の数字の面からは必ずしも増えておるという状況にはないわけでございますけれども、少年の覚せい剤問題というのは大変深刻な問題であると、かような認識でございます。
○佐々木知子君  予算委員会のときでも蛇頭についてお伺いしたわけですけれども、中国のブローカー、蛇頭と組んで、日本の暴力団が密航のビジネスに手を出しているという実態についてはどの程度把握しておられますか。
○政府参考人
 (吉村博人君)
 先ほど来、委員お話しのとおり、暴力団の犯罪形態が少しずつ最近は変わりつつあるわけでありますが、その中で、外国人と暴力団とが連携して強窃盗をしたり、あるいは暴力団が関与する、今御指摘の密航事件が発生したり、あるいはまた外国人女性の不法入国や長期滞在を目的とする、いわゆる偽装結婚事件というような検挙も近時は見られるところであります。
 集団密航事件なんですが、蛇頭と通称されておりますけれども、いわゆる密航請負組織と言えようかと思いますけれども、中国からの集団密航事件にこの種の密航請負組織が暗躍をしておりまして、中国本土における密航者の勧誘、引率あるいは搬送、そして日本における密航者の受入れ、かくまい、隠匿、そして仕事のあっせんまでを取り仕切っているという状況でありまして、私どもの掌握しているところでは、いわゆる暴力団、暴力団員がそのイニシアチブを取って密航請負組織を運営しているというよりかは、中国人が中心となった密航請負組織が何グループかあって、その手足となって働いている暴力団組員がいると。
 その証左としては、毎年、暴力団員を集団密航に絡んで検挙している例もあるわけでありますが、いわゆる暴力団組員の肩書といいますか、どの組に所属しているのかということを見ますと区々でありまして、どの組が集団密航に組として肩入れをしているということではなくて、個人的に言わば暴力団組員が、虞犯性の高い人間としての暴力団組員が手足となって彼らのむしろ下で働いているという、分け前をもらっているという状況にあるのではないかというふうに推測をしております。
○佐々木知子君  続きまして、来日外国人犯罪がやはり地方に拡散しているということも問題点として指摘されました。
 このうちの一つとして、山形県の鶴岡市で、資産家の母親と娘のうちに強盗が入って殺されたというような悲惨な事件などございましたけれども、ほかにどういうような事件が地方で起きているのか。外国人と組んで暴力団が強盗をやったりとか侵入盗をやったりとか、その他いろいろあるかも分かりませんけれども、どういうような特色があるかについてお述べいただきたいと思います。
○政府参考人
 (吉村博人君)
 予算委員会で大臣が、山形県の鶴岡で強盗殺人事件が発生したということを御説明をされておりましたが、正確には鶴岡警察署の管内でありまして、山形県の羽黒町での事案でありました。
 この例は、既に委員は御承知だと思いますけれども、平成十三年の四月に、山形県の羽黒町の民家に侵入して金品の強取を図ったと。その際に、そのうちの主婦を殺害するとともに、当時十六歳の長女にも傷害を加えたということでありまして、捜査の結果、山形県警察におきまして、極東会の暴力団員二名を含みます日本人四名と中国人三名を捕まえまして、今、中国人一人は現在、指名手配中ということであります。
 事案は、日本人の関係者が借財に窮して何とか金を得たいということで、その羽黒町の当該被害者宅のことをよく、いわゆる資産家として承知をしている人間が犯行場所をそこと確定をいたしました上で、主犯格の暴力団組員と、その日本人というのは暴力団組員でありますが、これから依頼を受けた暴力団組員が面識のある中国人に実行犯役の中国人の手配を依頼したということで、これはどちらかというと、日本人の暴力団がイニシアチブを取って中国人の実行犯を手配をして犯行に及んだというケースでございました。
 具体的に、それ以外にどのようなものがあるのかということのお尋ねでございますが、必ずしも今ちょっと手元に具体例としては持ち合わせておりませんが、いずれにせよ感覚の問題として、やはり暴力団員がいわゆる不良外国人と組んだ形で強窃盗を行っていると。例えば、高級自動車の窃盗につきましても、外国に輸出をしてもうけるという過程で、暴力団員と外国人が組んでいるというようなケースも、検挙例を見ると散見されるところでございます。
○佐々木知子君  随分様変わりしてきたなと思うのですが、実は私が検事時代はやくざも随分扱いましたけれども、窃盗というのは本当に恥ずかしい犯罪なんですね。とても数としても少ないはずですし、おれは仮にもやくざだ、窃盗なんかもうとんでもないという雰囲気がやはりあったはずなんです。もちろん、強姦というのももうとても恥ずかしいという犯罪で、これならいいけれどもこれなら悪いというように、ちゃんと犯罪の類型というのがその任侠道に生きる者としてはあったはずなんですけれども、それがもう今やどうやら何にもなくなったみたいで、お金がなくなったのが大変なことですので、何とかで稼がないとしようがないわけですから、何にでもこれは手を出していると。これはちょっと恐ろしいことになったなという感じを私は多々持っているものです。
 今、不法残留者、一時期三十万人に近くなっていましたが、大分減りました。二十三万人を切ったというような、この前お答えをいただきました。密入国者 が、密入国ですから、はっきりとは把握できないわけですけれども、まあ大体三万人だろうというようなお答えもいただきました。その中で、だから、地方にいろんな、拡散していると、そういう方たちが拡散しているということもお答えいただきましたけれども、やはり例えば、東京でいえば歌舞伎町のようなところというのは、そういう方たちがかなり集まっているのではないかというふうに思われるわけです。
 それで、私が、中国語や韓国語が聞こえて、ここは日本でないみたいで怖いと言っている人が多いと、実際に多いんですけれども。そういう、ただ一件メールが参りまして、中国人や韓国人に対する差別であると。これがフランス語やイタリア語だったら怖いと思うかというようなことが来ておったのが一件あったわけですが、もちろんイタリア・マフィアが濶歩しているというふうに分かっていれば、イタリア語を聞けば非常に怖いだろうというふうに思うわけです。
 歌舞伎町で起こる外国人犯罪というのは、私がかつて扱っていた限りでは、中国人が例えば中国人を殺すとか、そういうのが多かったんですが、その後どうも変容いたしまして、中国人が日本人を被害者にするとか、そういうのが増えているとかいうふうに聞いておりますけれども、歌舞伎町に限ってお答え願いたいと思いますが、外国人犯罪の数とか特色について、知っている限りでお答えください。
○政府参考人
 (吉村博人君)
 委員の御指摘のとおりでありまして、ここで歌舞伎町という場合に、まず地区の定義付けから始めたいと思いますが、歌舞伎町の一丁目と二丁目と申しますのは、明治通りとそれから靖国通りとそれから職安通り、それから山手線に区画された部分の〇・三五平方キロぐらいのところでありますけれども、そこの歌舞伎町地区における昨年中の刑法犯の認知件数を見ますと千八百六十五件となっております。ちなみに、歌舞伎町地区は今申しましたように〇・三五平方キロでありますので、一平方キロに、単位面積に換算比較をいたしますと──失礼しました。
 次に、来日外国人の関与状況でありますが、統計上、実は警察署管内の歌舞伎町地区でどれぐらいかというのは、検挙人員がデータとして出てまいりませんので、歌舞伎町を管轄をいたしております新宿警察署の数字でお答えをさせていただきたいと思いますが、新宿署で昨年中の来日外国人の検挙人員は百三十人であります。新宿署で検挙しました検挙人員全体の数字が千二百二十四人でありますから、千二百二十四分の来日外国人は百三十で、占める割合が一〇・六%となっております。警視庁全体で、東京都全体で見ますと、刑法犯の検挙人員に占める来日外国人の割合は四・二%であります。したがいまして、この一〇・六%と比較をいたしますと約二・五倍となっているところでございます。
 個別の事件を見ましても、確かに、先ほどのお話ではございませんが、暴力団員と結託をして中国人が強盗殺人をやったり、あるいは中国人らによる中国エステ店に対する強盗致傷事件などを犯したりというような凶悪事件が発生をしているという状況にございます。
○佐々木知子君  昨年の夏、新宿歌舞伎町で悲惨なビル火災がございました。四十四人でしたか、亡くなられまして、その後も鋭意捜査続けられているはずですけれども、いまだに事故なのか、これは放火なのか失火なのか、どうやら分からないようでございますけれども、これはどういうふうにその後進展しているのか、お答えできる限りでお答え願います。
○政府参考人
 (吉村博人君)
 お尋ねの件につきましては、昨年の九月の一日午前零時五十八分ごろの発生で、先ほどの歌舞伎町一丁目の雑居ビルの中におきまして、ビルの三階付近から出火をしたということで、四十四名の方が亡くなって、三名が負傷したという事件であります。
 警視庁におきまして、出火原因等を究明するために、現場検証はもちろんでありますが、関係者からの事情聴取あるいは現場資料の鑑定等を行ってまいりました。つい三月の十七日には、このビルと同様の内部を再現をいたしまして、建物を使って延焼実験も行ったということでございますので、所要の捜査を警視庁におきましては推進をしているところでありますが、今時点では、現在までのところ、まだ出火原因の特定には至っていないというところでございます。
 今後とも、引き続きまして出火原因についての、失火、放火の両面での捜査を行いますとともに、いわゆるビル管理者等の刑事責任の有無を含めまして、所要の捜査を警視庁においては進めていくものというふうに承知をしております。
○佐々木知子君  これ、場所からしても暴力団員の関与、あるいは外国人の関与というのがあるかどうかは分かりませんけれども、鋭意調べられなければ実態は解明できないというふうに思うわけですけれども、歌舞伎町で例えば中国マフィアがどれだけいるとか、イランにもやはりそういう組織暴力団があります。そういう外国人の組織犯罪というものがどれだけいるのかとか、だれがそうなのか、そういうような把握というのは警察の方でできていますか。
○政府参考人
 (吉村博人君)
 歌舞伎町ということになりますと、先ほど申しました新宿警察署あるいは警視庁ということになるわけでありますが、警視庁の組織犯罪対策ということで、暴力団あるいは不良来日外国人等々にかかわる事案を一元的に現在、プロジェクトチームを作って処理をしているところでありまして、今、私自身の手持ちはございませんけれども、その中で当然、その種の犯罪の捜査を一つの部門あるいは課にこだわることなくやるということと併せて、その彼らの実態がどうなっているのかということについても相当の、言わば警察活動を通じまして相当量の情報は収集をしているものと思います。
○佐々木知子君  私がなぜそういうことを伺っているのかといいますと、日本の組織暴力団は暴力団対策法によってある程度の締め付けがなされていると。要するに、大っぴらにひなたで活動できなくなった分、潜行しないといけなくなったと。そして、その反面、外国の組織犯罪であれば日本の法律で取り締まることは直ちにはできないわけですね、適用があるのは日本の指定暴力団だけですから。そうした場合に、日本の暴力団が小さくなっているその陰で外国の組織犯罪が力を伸ばすようなことがあっては、これは何のための法律なのかということになりかねないわけです。
 日本の暴力団というのは、実は米国のマフィア、イタリアのマフィアなどと違って、ある意味では表の組織なんですよね。外国のマフィアというのはもう本当に裏社会のものであって、表には出てこないんですが、日本はある程度表社会であって、そこの事務所に行ったら、もうそこが事務所だって分かりますし、ずらっと、だれそれが組長で、ずらずらずらずらっと看板が出ておりまして、警察の方は、この人は暴力団員である、この人は準構成員である、ここのスナックはこの暴力団、何がしの女がやっているスナックであると、検事はここに立ち入ってはいけませんよとか、もう全部表に出ているわけなんですよね。だから、すごく
そういう意味では把握しやすい。
 ところが、これが裏にこもってきますと何だかよく分からない。だから、摘発するときに非常に困ってきているのではないかと、私はそれを懸念しているんです。大分、今余り分からなくなってきていると、最初ちょっとちらっとおっしゃいましたけれども、そういう懸念が今すごくあると思うんです。
 外国人組織暴力団を日本ではもう取り締まるものがないので、どんどんどんどんこれ活動を広めていったら、日本は本当に治安悪くなります。今もう、そのうちに私は米国並みになるのではないかとある意味では恐れているんですけれども。この前の段階で止めなければならないんですが、この外国人組織暴力団の実態を把握して、それを取り締まる法律というのは必要なんじゃないんでしょうか
ね。困ってきてから考えるのではなくて、今の段階でどういうふうなお考えをお持ちなのか、ちょっとそれをお聞きしたいと思います。
○政府参考人
 (吉村博人君)
 今、委員がおっしゃいましたけれども、なかなかいわゆる日本の暴力団員もひところとは違いましてなかなか、暴力団の組事務所にずらっとその名札を並べてという実態にはなくなっておりまして、その意味では日本の暴力団員自体がいわゆる、以前は組事務所の看板をでかでかと掲出をして、組幹部の、組員の名簿をオープンにしているという実態にあったわけですが、それが変容しつつあるということがまず挙げられようかと思います。
 ただいまも申し上げましたが、いずれにせよ中国人、来日外国人が主体となって暴力団員と組む、あるいは暴力団員が主体となって不良外国人と組む、あるいは外国人だけが単独で不法行為を行うというような実態は現にあちこちで発生をしておるわけでありますが、まずもって私どもがやらなければならないと思っておりますのは、事案を早期に解明をして、刑事事件として発生をした場合に捕まえるということが第一であろうかと思いますし、その検挙活動を徹底することによって、なかなかそう簡単には日本でもいかないなというふうになってもらわなければ困るわけでありますので、まずは日本に妙な外国人が入国をしてもらわないようにするという意味では、入管当局なり税関なりと連携を深めなければならないと思いますし、また、先ほど来から話が出ておりますけれども、言葉の問題もありますし、なかなか日本のこれまでの捜査手法で彼らと接点を持って、どういう実態になっているのかということを簡単に教えてくれるとは限りません。まずもって先方の、彼らの組織実態といいますか、居住実態から含めて、まずこちらとしてある程度の基礎知識を持っておりませんと、たとえその事案が発生して逮捕状を得たとしても、当該人物の名前が本名なのか、それともそうでないのかということさえも分からないということになりますと犯人検挙にも至らないということになりますので、それは現場で一つ一つそのノウハウを蓄積をして、これからの日本人の犯罪捜査だけではなくて、来日外国人の犯罪捜査が十全に行われるようにしていかなければならないというふうに考えております。
 今現在、彼らをターゲットにしたいわゆる法律というのを考えてはいかがなものかということのお尋ねかと思いますが、まずはただいま申し上げましたような各種の活動を通じて、いずれにしても特に凶悪犯にターゲットを当てて捕まえていくということからスタートすべきではないかというふうに考えております。
○佐々木知子君  是非努力していただきたいと思います。
 時間の関係で、次参ります。
 検挙者数が増えている。認知件数が増えている、検挙者数が増えている。それで、警察の留置場や拘置所、それから刑務所、それから入管収容施設、いろいろ施設がございますけれども、それがどれぐらい満杯なのか、まだ大丈夫なのか、ちょっと順番にお聞きしたいと思います。順番にお答え願えますか。
○政府参考人
 (石川重明君)
 警察の留置場の関係についてお答え申し上げます。
 平成十二年中でありますけれども、全国の警察で留置をいたしました延べ人員、これは毎日の被留置者数を三百六十五日足した言わば人・日が単位になっておりますが、この延べ人員は約四百三万人でございまして、男女別で申しますと、男性が約三百六十五万人、女性が約三十八万人となっております。また、このうちに少年約二十一万人を含んでいると、こういう状況でございます。外国人はこの四百三万人の中の約五十五万人・日ということでございます。平成十二年中のこの延べ人員、平成三年と比較をいたしますと約二倍ということになっておりまして、中でも女性が約二・六倍、外国人につきましては約五・二倍ということで増加しておる状況にございます。
 どのぐらい一杯になっているのかと、こういうお話でございますが、平成十四年の二月一日現在で見ますと、全国の留置場の収容率、この収容率というのは、その日一日の収容可能人員に対する被留置者数の割合でありますが、これが、オールジャパンでございますから約六六%ということになってございます。ただ、六六%ということでまだ余裕があるのではないかと、こういうようにも思えるわけでございますが、実態は、少年を留置をする場合には原則として大人と別に留置をするということで一部屋占めてしまうということがありますし、また女性の被留置者、挙がった場合には当然のことながら男性と別に収容すると。それから、分散留置をして空いているところへ順次入れていく努力もするわけでございますが、余り遠隔地の留置場ということだと捜査にいろいろ手数が掛かってしまうと。そういったような問題がありまして、実態としては、特に都市部の警察の留置場というものはほぼ満杯に近い状況にあるんじゃないか、こういうふうに承知をいたしております。
○政府参考人
 (鶴田六郎君)
 それでは、拘置所及び刑務所等のいわゆる行刑施設の収容の状況について申し上げますと、収容人員は平成十年ごろから急激に増加が続いておりまして、本年二月末におきましては約六万五千五百人、収容率に
いたしまして一〇一・二%となっております。特に、受刑者等の既決被収容者だけで見ますと収容率は一一〇・五%となっておりまして、このため、行刑施設の本所七十四所中五十六庁におきまして収容定員を超える過剰収容となっております。
 また、被告人等の未決被収容者ですが、これは全国的な平均でいきますと七二・二%ではございますが、大都市圏、特に東京、大阪、福岡といったそういった大都市圏におきましては一〇〇%を超えるということで、過剰収容の状況になっております。
○政府参考人
 (中尾巧君)
 入管の関係で御説明申し上げます。
 入国管理局の収容施設の定員は、平成十三年度現在におきまして入国者収容所が千五百四十九人、地方入国管理局の収容場が八百六十九人で、合計二千四百十八人でございます。
 施設の収容率につきましては、私どもの場合は摘発とか送還、あるいはその他関係機関の身柄の引受けなどの状況に非常に左右されまして、一定するものではなく日々変化するものでございます。
 とりわけ、私どもの方で懸案になっておりますのは、首都圏を管轄する東京入国管理局の収容場についてでございます。ここの収容場につきましては平均的に九〇%以上の高収容率を誇っておりますので、実態的な体感温度としてはほぼ満室状態というふうな状況でございます。そういう関係で、東京入国管理局につきましては、査定当局の御理解を得まして、今月末には収容定員百五十人の収容施設が完成することになっております。また、平成十五年二月には東京入管局の新庁舎が完成いたしますので、収容定員が現在の四百五十人から八百人となる予定でございます。
 今後とも、これらの施設を活用して対応していきたいと考えております。
○佐々木知子君  中尾局長にちょっとついでにお伺いしたいんですけれども、よく一般の方から聞かれるんですけれども、退去強制させるときの費用はだれが負担するんですか。
○政府参考人
 (中尾巧君)
 大体、原則として自費で送還をしております。お金がないとかいろんな関係で送還困難な場合には国費送還ということでございます。国費送還の件数は、昨年、平成十三年度で五十から六十、今手元に資料ございませんが、大体五十から六十ぐらいで国費送還しておりますので、その他は原則として自費で帰っていただいております。
 以上でございます。
○佐々木知子君  これは最後の質問になります。
 司法制度改革ということが言われておりまして、論点は多岐にわたっておりますが、私はやはり人の気持ちを思いやれる法曹を作っていくことというのはかなり重要なことではないかというふうに思います。
 最近、山口県光市の母子殺害事件で、少年が十八歳だからということを理由にしたのだと思いますけれども、一審、検察側が死刑求刑に対して無期懲役、控訴審におきましてもやはり無期懲役が維持されたというニュースが流れてまいりました。これにつきましても、一般の方からもよくメールで、これはひど過ぎるのではないかということをいただきます。私もそうだというふうに思います。
 これは、事案を挙げると、御存じない方もいたらあれですけれども、強姦をしようと思って、二十三歳の主婦ですが、配管工を装ってこれ入ったわけですね。で、強姦をして、それから十一か月の赤ん坊を床にたたき付けて、あらかじめ用意していたひもで絞殺して、二人の遺体を押し入れに隠して、財布も奪って、指紋の付いている証拠品を処分したと。その後、ゲームセンターで遊んで、盗んだ財布に入っていた地域振興券で買物をし、友達の部屋に上がっていっていつものように雑談をしていたと、こういうような事案なんです。本当に血も涙もない、これが本当に人間のやることだろうかというふうな事件なのですが、これが十八歳だからということで私は無期懲役になっていいのだろうか。
 このときに、被害者の遺族の御主人が自分は無力だということをインタビューで答えておられました。
 近代法は、各市民からリンチ、個人で報復する権利というものを奪いました。国家でそれを取り上げた以上、国家はその個人の報復感情を満足するだけの私は刑罰を与える責務を負ったというふうに考えております。
 この判決自体が云々ということは、これは司法の独立がございます、裁判官の独立がございますので、何とも申し上げることはできませんけれども、私は、被害者の感情、遺族の感情というものにどれだけ法曹の方が憂慮されておられるのか、本当に思いやりの念を持って裁判を扱っておられるのか、実は私も裁判に立ち会っていて随分疑義を感じたことがございました。被告人ももちろんそうです
けれども、被害者にとっては、遺族にとっては、たった、多分人生で一度きりの経験なんです。それに対して、警察官もちろんそうですが、検事もそうです。裁判官が何を言うか、その一言によってどれだけ傷付けられて、そして一生ある意味では台なしにもされかねないということを、もっと私はこの任にある者としては考えていくべきだというふうに思っております。
 裁判所にまずお伺いしたいと思います。
 どういうふうに裁判官の教育をしているか。もちろん、初めから思いやりのないような人、人に対しての共感性のないような人を裁判官に任用しないのが一番だと言われればそれはそうなんですけれども、これから数も増えていきますでしょう、そんなに立派な方ばかりではなく、変な方も入ってくることでしょう。そういうような方に、オン・ザ・ジョブ・トレーニングというんですか、やはり教育はせざるを得ないだろう。どういうふうな教育をするのかということを考えておられるか、次に検察庁、法務省──済みません。じゃ法務省で終わります。二つのところからお答えを願いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者
 (金築誠志君)
 裁判官が犯罪被害者や遺族の心情を理解できるような教育と申しますか、研修の機会を持つということは、委員御指摘のとおり非常に重要なことだと思っております。
 御指摘のオン・ザ・ジョブ・トレーニングという、事件を通じてそういうものを学んでいくといいますか、そういうこともございますし、司法研修所におきましては刑事事件とか少年事件を担当する裁判官を対象といたします研究会いろいろやっておりますが、その研究会で犯罪被害者の心理あるいはその回復に関する講演、これは大学の先生などにお願いしておりますが、そのほかいろいろな研究会におきまして、被害者の保護のための新しい諸制度いろいろできておりますが、そういうものについて関係者からいろいろ話を聞く、運用上の諸問題について共同研究をするなどやっております。
 今後もそういった機会をできるだけ多く持って、犯罪被害者の気持ち等、心情に対する理解を深めるという研修を行ってまいりたいと思っております。
○政府参考人
 (古田佑紀君)
 委員御指摘のとおり、刑事事件につきましては、被害者の方々がどういう気持ちを持っているかと、こういうことについて十分理解をした上で処理をしなければならない。そういうことで、特に検察官の場合、これまでも被害者の方々からいろんなお話を聞くとか、そういうことに努めてきたわけでございますが、非常にたくさんの事件を処理する中で、時には言わばその辺がおろそかになることもないとは言えない、そういう問題も決してないわけではございませんので、委員御案内のように、検察官につきましては任官した直後から何回かに分けて様々な研修などを行っておりますが、そういう機会に被害
者支援の仕事をしておられる方々あるいは被害者の遺族の方々などから直接に被害者のいろんなお気持ち等がどんなものかというふうなことを聞く機会を設けるなど様々な工夫を凝らして、その辺に遺漏がないようにしているところでございます。

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