昨朝8時半法務部会、夫婦別姓の件。
まずは私が議員立法の内容を説明した。何をどう聞かれても答えられる準備はしているが、質問は皆無。代わりに、「なぜ国会閉会直前になって慌てて部会を開くのか」といった非難、あるいはまた「夫婦同姓は日本の2000年の文化伝統」(事実誤認も甚だしい!)「子どものことを考えていない」といった相変わらずの「ためにする反論」の数々。
縷々主張した。「法律には、人を殺すなかれといった、古今東西いついかなる時代にあっての変わらない真理もあれば、家族のあり方のように時代の流れによって変わっていくものもある。女性の社会進出もどんどん進んできているし、一人っ子同士も増えてきている。氏制度も見直されて当然だ。よく考えてもらわないといけないのは法律婚として認められたいと考えるからこそ別氏を認めてほしい、つまり法律を遵守しようとしているのだ。困っている人たちがいれば救うのが政治の役目じゃないのか。民主党その他から法案も上がっている、自民党で握りつぶしていいはずはない。国会に出して審議しなければならない」と。
呆れたことに、「家裁の許可というが、裁判所は信用できない(これでは三権分立そのものの否定だ!)。人を殺すなかれというが、正当防衛もある(一体何のことだ、これは?!)」云々。部会の意見集約は困難だから上のレベルに上げたいとする私たちの主張に対しては「部会でやってくれ」(つまり絶対に通さないということだ)の一点ばり。で今一度持ち越しとなった。
まさに無理が通れば道理が引っ込む。論理も何もなし、ただの感情論だ。そしてこれが情けないことには「国民の代表者」の実態なのである。ここまで強硬に反対するのは、個人の信条というよりむしろ某圧力団体の意向を受けているとしか私には思えない。しかし、その団体もまた通称使用には賛成しているのである(つまり不便は承知なのだ)。彼らは別姓には反対、だから通称使用の法案を出すと言ったまま今に至るもなしのつぶてだ(出せるはずはないと考えている)。あまりにも無責任ではないか。
終わって、賛成派の代表2人の訪問を受けた。1人はこの秋に子どもが産まれるという。「でもこんな国じゃ、もう産みたくなくなってきました」と、泣いていた。気持ちはとてもよく分かる。「そう言わずに。国のためじゃなくて、貴女自身のために産むんだって考えてよ」。そう言うと、少しだけ頷いてくれた。子どもを産むって素晴らしいことだ。残念ながら私には出来なかったことだから、よけいに。
少子化の中、未婚のまま子どもを産んだ女性をさえ保護しようという流れの中で、正式に結婚して子どもを産もうとしているカップルを救わない現実は何ともバランス感覚を失している。しかし理屈の通らない世界なのだから、理屈で怒ってもどうにもならない。別の手を考えなくては。
今回のことでは、たくさんメールやファックスを頂いた。中でも感激したのは力足らずの私にまで気を遣ってくれた方々の存在である。勝手に以下、引用させていただく。
「先生、私すごく悔しいです。先生がそんなにしてまで頑張ってくださったのにどうして、こんなことになるんでしょう。先生は、どうしてそんなにいやな思いをしなければならないのでしょう。悔しくて悔しくて、涙が止まりません。
今年こそ、夫と入籍できると思っていたのに、神道政治連盟がいる限り、永久に入籍できないのではないかと人生が真っ暗になります。
佐々木先生、本当に今日はお疲れ様でした。ありがとうございました。まだまだ私は諦めません。少しずつ、地道に、議員の先生達にメールで心情を訴えつづけます。佐々木先生も、是非とも、よろしくお願いいたします。
感情的な文章になってしまい、申し訳ありませんでした。」
いいえ、ちっとも感情的なんかじゃありませんよ。感情的なのは貴女方ではありません。
|